50年ぶり青梅に映画館 シネマネコ 5月2日オープン

完成した劇場と菊池さん

旧都立繊維試験場(青梅市西分町)の内装を改装した映画館「シネマネコ」のオープン日が5月2日に決定した。こけら落としは「猫の恩返し」(スタジオジブリ)を1日4回、2週間上映する。同市に映画館ができるのは約50年ぶり。

建物は昭和初期に建てられた登録有形文化財。耐震、耐火対策のため大規模な改装をしたが、木造建築の良さを味わえるよう天井は吹き抜けにし、当時のままの柱や骨組みが見えるようになっている。もともと天井が高いことを生かして傾斜の角度をつけ、前の人と頭がかぶらず快適に見ることができる。スピーカーを前後左右合わせて7つ設置、風の音や背後で羽ばたく鳥の音など忠実に再現される。

館名の由来は同市を象徴する映画、織物、ネコを盛り込み市のシンボルにしたいという考えから。織物の建物を使った映画館「シネマネコ」となった。ブックカフェを併設し、映画や猫に関する本などを並べる予定。

こけら落としにネコが出てくるジブリ映画を上映したいと考えた代表の菊池康弘さん(39、同市野上)は2月、スタジオジブリの宮崎駿監督宛に便箋5枚にわたり作品への思いを綴り、作品を貸して欲しいと手紙を出した。広報から社内で協議するという回答の後、正式に貸し出しを許可する連絡が来た。

中扉を使った棚台。グッズが並ぶ予定

期間後は「ローマの休日」吹き替え版やドキュメンタリー映画など幅広く上映する予定。SNSやリクエストボックスを使った企画も考えているという。「ファンと映画館の距離が近い、他の映画館では得られない体験ができる場所にしたい」と話す。

問い合わせは0428(84)2636またはメールinfo*cinema-neko. comまで。(藤野)

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