「ちゃんちき堂」の久保田さん「うつ病のぼくが始めた行商って仕事の話」発刊

表紙デザインは同市の若手デザイナーに依頼。「ぐちゃぐちゃな心理状態から起業したことを廃材と写真で表している」と久保田さん
表紙デザインは同市の若手デザイナーに依頼。「ぐちゃぐちゃな心理状態から起業したことを廃材と写真で表している」と久保田さん

 青梅市塩船を拠点にリヤカーでシフォンケーキを販売する「ちゃんちき堂」の久保田哲さん(50)が1日、「うつ病のぼくが始めた行商って仕事の話」(B6変判・200㌻、1430円)を文芸社から発刊した。

 久保田さんは2009年、医師からうつ病の診断を受け、休職の末に退職。シフォンケーキと出合い、前職で培った事業計画の立案や実践のノウハウを生かし、行商「ちゃんちき堂」を立ち上げた。

 久保田さんは自身の体験を約3年かけて綴り、作品発信サイト「nоte」で公開。うつ病当事者から「どうしたらいいのかわからない」と相談がくるようになった。「医者ではないので無責任なアドバイスはできないが、商売を通して社会参加している体験談で『生きる手段』を提案できるのでは」と、出版を考えるようになったという。

 昨年末に同社と縁があり、nоteに掲載した内容を出版することに。本文は編集者のアドバイスを受け大幅に書き直し、よりわかりやすくなるようブラッシュアップした。

 「うつ病の当事者だけでなく、その周りの人にも読んでほしい。できれば開業後の社会生活、人間関係について綴った後編を出して、必要な人の手に渡るようにしたい」と意欲を語った。

 購入は多摩書房(同市二俣尾)、駒屋書店(同市仲町)、文教堂書店イオンスタイル河辺店(同市河辺町)ほか地域の書店で入荷予定。取り寄せ、ネットショップ等でも購入できる。(藤野)